うみねこのなく頃に episode U−V 『week square』{うぃーくすくえあ}

配役 ♂:6  ♀:6 

右代宮楼座 :女
右代宮朱志香:女
右代宮譲治 :男
右代宮戦人 :男
右代宮真里亞:女
呂ノ上源次 :男
紗音    :女
嘉音    :男
郷田俊朗  :男
南條輝正  :男
ベアトリーチェ:女
サタン   :女
アスモデウス:女



−OP−


《金蔵の寝室》

SE*金蔵が寝ている

 金蔵 :・・・ん・・・?
     ん・・・
     どうやら 最初の生贄は逃れたようだな・・・
     さて、ベアトリーチェ お前が取った六つの駒は何なのか
     楽しませてもらうぞ フッフッフッフ・・・

《礼拝堂前》

 楼座 :何よ?どうなってるの?

 紗音 :わかりません 食堂に”礼拝堂”と書かれたメモがあって
     来てみたら

 楼座 :あ…。ん?HAPPY HALLOWEEN for MARIA{ハッピーハロウィンフォーマリア}

 源次 :扉と窓には鍵が掛かっていて中に入れません
     この礼拝堂の扉は我々使用人の持つ鍵では開きませんので

 楼座 :なら!ここの鍵を持ってきなさいよ!

 源次 :この扉の鍵は一本しかないのですが
     その鍵が紛失しているのです

 楼座 :お父様や兄さん達は!?

 源次 :それが・・・蔵臼様ご夫妻 絵羽様ご夫妻 留弗夫様ご夫妻
     皆様いらっしゃらないのです

 楼座 :何ですって・・・? ハッ!?

《ゲストハウス》
SE*楼座が真里亞が寝ているのを見て

 楼座 :はぁ・・・

SE*封筒の中から鍵を見つけ

 楼座 :やっぱり

 戦人 :う〜ん・・・

 楼座 :ん?

 戦人 :楼座おばさん・・・?

 楼座 :あなた達はここにいなさい

 戦人 :?

 朱志香:?

 真里亞:う〜ん・・・?

 源次 :間違いありません 礼拝堂の鍵です

 楼座 :ん!

《礼拝堂内》
SE*蔵臼達の死体を見つけ

 楼座 :ハッ!!?

 紗音 :だ・・・旦那様!?

 郷田 :だ・・あ・・ああ・・

 嘉音 :なんてひどい

 郷田 :きゅ 救急車!!警察!!

 源次 :楼座様・・・楼座様!

 楼座 :ッ!? お父様に知らせて来て!

 源次 :直ちに

SE*源次・紗音が礼拝堂の外へ出る

《再び礼拝堂内》

 朱志香:父さん!!?母さん!!?

SE*戦人・朱志香・譲治・真里亞が入り口に

 戦人:なんだよこりゃあ!!?

 南條:いけません!!
    現場はこのままにしておかなくては…。
    
 郷田 :そうです!
     警察が来るまでは…。

 戦人 :親父っ!
     霧江さんっ!

 朱志香:父さんっ!
     母さんっ!

 譲治 :うわああァ!!

 
 <メタ世界>

 戦人 :またこんなふざけた殺し方をしやがったのかよ…。
     死体の腹にキャンディやらクッキーを詰め込むなんて…。
     悪趣味にもほどがあるじゃねぇかっ!
 
 ベアト:前回のゲームでは、
     最初に殺された6人は、顔が判別できなかった。
     だから、本当は誰かが生きていると推測する余地があった。
     …しかし! 
     今度はちゃぁんと顔がわかる。
     つまり容疑者を絞ることができるというわけだ。

 戦人 :ふざけるなッ!!
     残酷な魔女めッ!
     ぶっ殺してやるッ!!

 ベアト:お前は事件が魔法によって行われたのではないと証明したいのだろう?
     更に、自分の身内や知り合いの中に犯人がいることも認めたくないのだろう?
     やってみるがいい 事件を合理的に説明してみろ。

 戦人 :っ!!(消)

 ベアト:くっふふふふ。
     ひゃははははは。(消)

 
 <礼拝堂>

 戦人 :誰がこんなことしやがったんだ!
     
 朱志香:っ!?
     ベアトリーチェって女が来てるんだろう!?
     そいつが犯人だ!

 楼座 :お待ちなさい!
     嘉音くん、郷田さん、お願い。

 嘉音&郷田:はい!

 
 <礼拝堂の外>
 
 朱志香:ハァハァハァ。(走)
    
 郷田 :お嬢様お待ちをっ。

 
 <礼拝堂>

SE*泣く譲治。

 譲治 :っ……(泣)
     …ん?

SE*かぼちゃの中に金塊が入っている。

 譲治 :これは…

 真里亞:ふふふふっふふふふふ…。
     
 楼座 :っ!?

 真里亞:さぁ… 始まったね、ベアトリーチェ。
     早く真里亞を黄金郷に連れてって…。
     きひひひひひ ひひひひ


<<ゲストハウス内>>

SE*朱志香、泣きながら激しく個室のドアをたたいている

 朱志香:開けろ!!
     ベアトリーチェ!!

 嘉音 :お嬢様っ
     
 郷田 :まだベアトリーチェさまが、
     犯人と決まったわけでは…

 朱志香:くッ…!くッ…!!

 嘉音 :お待ちください。

 朱志香:…?

SE*嘉音がカギを出す。

 朱志香:っ!

SE*鍵を開けて朱志香が中に入る。

 朱志香:ベアトリーチェ!!
     …っ?

SE*室内は荒らされた様子はない。
  手紙があり、読んでみる。

 朱志香:……くッ…!
     うわぁぁぁ!!
     
 嘉音 :お嬢様!
 
 朱志香:やっぱりあいつがやったんだ!!
     出てきやがれ! 
     ベアトリーチェ!!
     …ゴホゲホゲホ。
     ゴホゴホ…。
 
SE*嘉音は手紙を見る。

 嘉音 :っ・・・

 ベアトM:私がぬくぬくとここであなたが飛び込んでくるのを待ち呆けるとでも?
     知的な夜に、粗暴なるあなたは似合わない。
     こんな間抜けに育てた親はどんな顔?
     うん見たよ、本当にそっくりな間抜け面。
     今はお菓子な国で、お腹いっぱい!

 朱志香:くッ…!
     ゴホゴホゴホ…。
     
SE*嘉音と郷田が手を差し伸べる、朱志香はその手を払いのける。

 嘉音・郷田:あ…

 嘉音 :…ここは僕にお任せを…。
     お嬢様を、お連れします。

 郷田 :わかりました…。

 朱志香:ゴホゴホゲホ(泣)


 <朱志香の部屋>

 朱志香:ゲホゴホゴホ。

 嘉音 :薬はこれですね
    
SE*吸入する朱志香。

 朱志香:…っ!(吸い込む)
     ………
     はァ……
     ありがとう、嘉音くん…。
     もう… 大丈夫…。

 嘉音 :お嬢様……

 朱志香:っ…(泣)

 嘉音 :…僕は廊下におります。
     ご用がおありでしたら、すぐにお呼びください。

 朱志香:はァ!

 嘉音 :なにか…?

 朱志香:………。
     …いや……。

 嘉音 :なにかご用命があれば、いつでも。

 朱志香:ん………。

 ベアトO:女心のわからぬ奴よ
      
 嘉音 :っ!?

 ベアトO:こういうときは黙って側にいるのが正解だ。

 朱志香:はッ!

SE*ベアトが現れる。

 ベアト:人の心が汲み取れぬ、
     だからお前は、家具なのよ!

 嘉音 :ベアトリーチェ…!

 朱志香:っ!?
     …こいつが、ベアトリーチェ

 ベアト:姫に騎士が揃えば、
     魔女が現れるのは必然よ。
     どれ、金蔵の家具がどれほどの力を持つか、
     見せてもらおうではないか。

SE*ベアトリーチェが指を鳴らす、山羊が複数現れる。

 朱志香:なっ なんだよこれ…。

 嘉音 :っ!

SE*山羊たちがブレードをセットする。

 嘉音 :お嬢様、下がっていてください。

SE*嘉音もブレードをセット。

 朱志香 :っ!?
      か、嘉音くん、それは…。

 嘉音 :っ…見せたくなかった…。

 ベアト:んっふふ。
     よくぞ抜いた。
     金蔵は家具を作ることにかけては、
     妾の足元に及ぶやもしれぬなァ

 嘉音 :お嬢様は、僕が守るッ!!

SE*戦闘が始まる。

 
<<客間>>

SE*手紙を見る楼座。

 楼座 :これは… 犯行声明だわ…。

 郷田 :ではやはり、犯人はベアトリーチェさま…。
     
 南條 :実は我々も、手紙を見つけたのです。
     礼拝堂のテーブルに、置かれていたのですが。

 戦人 :ふざけたことが書いてあるぜ…。
     自分は魔女で、じい様に貸した金{かね}と利子を回収に来た…。
     ただし、碑文の謎を解いて黄金を見つければ、
     回収の権利は放棄すると…。

 譲治 :…礼拝堂にあった3つの金塊…。
     あれを見る限り、隠し黄金というのは実在するのかもしれない…。

 戦人 :くッ!
     
 譲治 :戦人くん、大丈夫かい。
     
 戦人 :あァ…。
     流せる涙は流し尽くしたぜ…。
     警察が来るより先に、俺が犯人をふん捕まえてやる。


 <朱志香の部屋>

 嘉音 :ふんッ! えいッ!
  
SE*次々と山羊を倒していく。

 朱志香:私は… 夢を見ているの…?

 嘉音 :魔女の家具めッ!
     地獄へ! 叩き落としてやる!

 ベアト:ふん…ハンドメイドには勝てぬか…。
     
 嘉音 :次はお前だっ!
     ベアトリーチェ!

SE*避けるベアト。

 ベアト:口を慎め家具が。
     喋るな家具が。無口であれ家具が。
     身の程を知れ家具がっ!

 嘉音 :くッ…。

 朱志香:か、嘉音くんは家具なんかじゃない!
     嘉音くんは人間だよ…。
     …私を助けに駆けつけてくれた…。
     そして、お前の前に立ちはだかってくれた、
     自分の意思を持つ人間だ!
     だから嘉音くんを家具なんて呼ぶなっ!!

 嘉音 :お嬢様…。

 ベアト:あっはははは。
     そうでなくては面白くない。
     互いの尊厳を認め合う寄り添いし2人よ、
     今こそ生贄に捧げよう。
     
 嘉音 :っ!

 ベアト :さぁさぁおいでなさい。
      罪を許しなさい。
      煉獄の七杭の1つ、色欲!

 アスモ:色欲のアスモデウス、ここに。

 ベアト:第2の晩を速やかに実行に移す。

 アスモ:仰せのままに。
     …素敵な獲物に恵まれるなんて、なぁんて幸運なのかしら。
     うっふふ♪
     怯えてる? かわいい♪

 嘉音 :来い!
     魔女の家具っ!

 朱志香:あっ…

SE*嘉音が先制攻撃。

 嘉音 :えいッ! ぬ! とォ!

SE*かわすアスモデウス。

 アスモ:ねぇねぇ、どこがいい?
     どこを貫いてほしい?
     お答えなさいよっ! 可愛い子っ!(←少し低い声で)
     ヒャハハハハ♪

SE*杭になって嘉音を目掛けて飛んでくる。

 嘉音 :んっ・・・くっ…

SE*嘉音の後ろに杭が回り込み、嘉音は気づいていない
  *杭が刺さる音が聞こえ、後ろを振り向く嘉音

 嘉音 :はっ!?
     お嬢様…

SE*朱志香が盾になった。

 朱志香:ふ… よみがあたったぜ…。
     ざまあみやがれ…(倒)

 ベアト:どうした嘉音?
     お嬢様は僕が守るんじゃなかったのか?
     ヒャッハハハハ ハハハハ!
     …もうよい、死ね、笑わせろ。
     さぁさぁおいでなさい、煉獄の七杭の1つ、憤怒{ふんど}

 サタン:憤怒のサタン、ここに。

 ベアト:こやつの舞台に幕をおろしてやれ。
     
 サタン:…♪

 嘉音 :くッ…。
     もう家具じゃない…。
     それは… 二度と疑わないッ!
     
 サタン:うっふふ。
     なぁに?
     あんたまた私に殺されちゃうの?
     …あんたなんて、暖かくて、
     貫く{つらぬく}と本当に気持ちがいいんだよ…
     さぁ、また味あわせて…
     あんたの暖かい胸の中で。
     私を思いっきり気持ちよくして!
     ヒャハハ! ヒャハハハ!

SE*杭になるサタン。

 嘉音 :うッ!!

SE*杭が嘉音に刺さり、倒れる。

 朱志香:…嘉音…くん…。

 嘉音 :…お…お嬢さま…。

 朱志香:…嘉音くんはさ…
     …もう家具じゃないよ…

 嘉音 :っ…っ…

 朱志香:…君の本当の…名前……聞きたかっ…た

 嘉音 …僕の… 本当の名前は… っ…。

SE*朱志香の息が途絶える。

 嘉音 :僕は…人間に…なれ…うっ…

SE*嘉音も死ぬ。

 ベアト:ヒャッハハハ あはは
     笑わせるな家具が。
     100年を経ようと家具は家具よ。
     貴様は死んだらこれ以上の屈辱を受けることなどないと信じてるようだが、
     それは甘いぞ。
     死者を辱めるというのがどういうものか、
     妾が教えてやろうぞ。
     ふぅ…。(パイプ煙草を吹かす)

SE*嘉音を消し去る。

 
 <金蔵の書斎>
 
 金蔵 :そうか…。
     始まったか…。

 源次 :はい。
     いかが致しますか?

 金蔵 :遺言を書く。
     紗音、準備を頼む。
     源次はいつもの酒を

 源次&紗音:はい。

 
 <客間>

 楼座 :通じない?

 郷田 :はい。
     電話で警察に連絡しようとしたのですが、
     全然繋がらないのです。
     
 南條 :この嵐で、ケーブルの故障でもあったのかもしれませんな…。

 譲治 :なんのためにあんなひどい殺し方を…。
     …それに、扉の落書きも…。
     
 真里亞:きひひひひ。
     落書きじゃないよ。
     あれは太陽の7の魔法陣。
     きひひひひひ。

 楼座 :えい!(殴)

 真里亞:いった…

 楼座 :その気持ち悪い笑いをやめなさいといつも言っているでしょう!

 真里亞:うー!

 戦人 :…なんの意味があるんだ?

 真里亞:きしし。
     意味は束縛からの脱出。
     円周部に書かれた言葉は、
     "主{しゅ}は私の枷{かせ}を解かれました。
     私はあなたに感謝の生贄を捧げ、主のみなを呼ぶでしょう"

 譲治 :感謝の生贄…
     父さんたちが、生贄?

 戦人 :Happy halloween for MARIA…。
     なるほど…
     それであの扉を開ける鍵が、真里亞に渡されてたってわけか…。
 
 真里亞:きっしし。

 譲治 :僕はさっきから、どうしてもわからないことがあるんだ。
     礼拝堂の扉は、いつも鍵がかけられている…。
     あの扉を開ける鍵は、ここにある1本しかない。
     そしてその鍵は、昨日からこの封筒に入れられて、
     真里亞ちゃんのカバンの中にあった。
     …とすると、犯人はどうやって礼拝堂の扉に鍵をかけたんだろう。


 <メタ世界>

 戦人 :うぜー真似だぜ。
     また密室殺人かよ。

 ベアト:さぁ、
     どうやって礼拝堂の扉が開け閉めされたか説明してみるといい。

 戦人 :情報不足。
     合鍵があったのかもしれないし、隠し扉があるのかもしれない。
     所謂悪魔の証明ってやつさ。推理のしようがねぇ。

 ベアト:…ならばこういう思考はどうかな。
     
 戦人 :うん?

SE*赤き真実

 ベアト:『これから先、妾が真実を語る場合は、
      赤い文字でその文章を示す。』

     …これならお前も理屈のこねようがあるだろう?

 戦人 :なんだよそりゃァ…。

 ベアト:新しいルールだ。
     情報不足や証拠不足などと逃げ口上を言えぬようになぁ。
     …ここから先、妾が赤で語ることはすべて真実。

 戦人 :ちょっと待てよ。
     それならお前が、犯行は魔法で行われたって赤で言えば済むことじゃねぇか。

 ベアト:妾はそなたとゲームをしているのだ。
     そなたが足掻きに足掻いて、自ら降参するのを見届ける…。
     そうでなければ意味がない。
     
 戦人 :…よぉし、受けてやるぜ。
     …そのルール、真実だって言うなら、繰り返してみろ!
     親父たちは扉を使って礼拝堂に入った!
     あるいは運び込まれた!

 ベアト:よかろう…。

SE*赤き真実。

 ベアト:『生きていたか死んでいたかはさておき、
      6人は確かに扉から入った。』

 戦人 :その証拠は?

 ベアト:ストップ。
     ルールを補足する。
     妾は真実を語るときに赤を使うが、
     それに対して証拠を示して立証する義務を負わない。
     ただ事実であり真実である、
     それがこのゲームの大前提だ。

 戦人 :きっ…。
     なんかえらくこっちに不利なルールって気がするぜ…。

 ベアト:フッ。
     次はお前の手番{てばん}だぞ。

 戦人 :っ!
     礼拝堂の鍵が他にもあったってのはどうだ。
     犯人はひそかに合鍵を作っておいた。
  
 ベアト:ふっふふふ。

SE*赤き真実。

 ベアト:『礼拝堂の鍵は、1本しか存在しない』

 戦人 :じゃぁ、鍵以外のもので開けたんだ!
     例えば、針金とか、
     キーピックの道具だ。

SE*赤き真実。

 ベアト:『礼拝堂の扉は、礼拝堂の鍵以外では、
      施錠も解錠{かいじょう}も不可能。』

 戦人 :ならどうやって…
     親父たちは礼拝堂に入ったんだよ?!

 ベアト:だから言ってるだろう?
     6人は魔法で扉をすり抜けたのよ

 戦人 :ぬうう…!

 ベアト:認めてしまえ。
     魔法はあると…

 戦人 :っ いや、…鍵だ。
     真里亞の持っていた鍵!
     …犯人は偽の鍵を真里亞に渡し、
     犯行を終えて礼拝堂に鍵をかけたあと、
     真里亞に渡した鍵とすり替えた。
     違うか?

 ベアト:…ばかばかしい。

SE*赤き真実。

 ベアト:『妾が真里亞に預けた封筒の中身は、
      確かに礼拝堂の鍵であった』

 戦人 :ならば、真里亞のカバンは楼座叔母さんが封筒を取り出すまで、
     誰も触れることはできなかった。

 ベアト:……。

 戦人 :言えないだろう。
     つまり、
     昨日お前が真里亞に鍵を渡してから、
     今朝までに間に、犯人がこっそり真里亞のカバンから封筒を盗み出していったんだ。
     犯行のあと、礼拝堂に鍵をかけ、
     元通り封筒に入れて、真里亞のカバンに戻しておいた…。
     こうすれば! 
     魔法なんか使わなくても犯行は可能だっ!!
 
 ベアト:ハハハハハ。
     アハハハハ。
     見事だ。
     しかし魔法を否定することは、
     お前の親族たちを疑うことに他ならない。
     それは自分で自分の首を締めているのも同然だ。
     お前は妾に勝てぬ。
     右代宮戦人!
     

 戦人 :………。


 <客間>

SE*7時半のベルが鳴る。

 戦人 :ベアトリーチェは、
     俺たちに黄金を探させようとしているのか?

 真里亞:きひひひひひ。
     ベアトリーチェは碑文の謎が解けるか解けないか、
     それを聞いてるだけだよ。

 戦人 :真里亞は、あの碑文が解けるのか。

 真里亞:しぃらない
     だって真里亞は黄金郷へ行ければいいんだもぉん

 戦人 :あァ?

 真里亞:ベアトリーチェの邪魔なんかしないよ。
     きひひひひひ。

SE*楼座、源次、紗音が入る。

 譲治 :楼座叔母さん…。
     それは…?

 楼座 :お父様から借りてきたの。
     いざという時、あなたたちを守れるよう…。

 戦人 :じい様は?

 紗音 :書斎におられます。
     部屋から出るのは、気が進まないとおっしゃられて…。
     
 楼座 :大丈夫…。

 戦人&譲治:っ?

 楼座 :あなたたちのことは、私が守ります。
     必ず…。

SE*ライフルを握りしめる楼座。

−ED−

次回予告

episodeU‐V week square 完